日本の春を告げる花「梅」 〜茨城県水戸市A様〜
2月に入ってもコロナ 全国的にオミクロン株の感染拡大が続いていますが、
ここ茨城県も、連日過去最大値を更新している状況です。
そんな中 先日ミモザの花の記事を書きましたが、
昨日作業に伺った、茨城県水戸市のA様のお庭には、
ここ茨城県水戸市の代表的な花である、梅の花が咲き始めていました。
A様のお庭の梅の木はかなりの古木で、A様のお爺さまが生まれた頃には、
既にとても古い梅の木として大切に扱われていたそうで、
そう考えますと、200年位ははこの庭にある梅の木ということになります。
当時200年以上も前の時代に、人々に春を告げて喜ばせていた花は、
こうして今でも立派に当時と全く同じ花を咲かせ、
春を告げ、A様ご家族を喜ばせ続けている。
何だかとても感動的です。
昨年秋の剪定では、もう流石にこの古い梅の木に登る事は、
かなり古くなった苔生した幹が折れて崩れてしまいそうなので、
梯子をかけての剪定に切り替えました。
「梅の花、咲き始めましたよ! もう春が近いですね!」
そう微笑んでいらしたA様。
やっぱり春が来ることは、誰にとっても嬉しいものですよね。
現代の日本俳句や和歌の世界で現在は「花」といえば桜ですが、
奈良時代には「花」といえばこの梅の花だったのだそうで、
春を告げる大切な花として、そして薬木としても尊ばれていたそうなのです。
「花=桜」になったのは、ずっとずっと後のこと。
確かに、松竹梅と、縁起の良いおめでたい花として用いられるのは、桜ではなく梅。
日本の花道にも、食文化にも、絵画にも、着物の柄にも用いられ
何より伝統的日本庭園には、とても大切な花。
一番最初に春を告げ、辺りは素晴らしい春の香りに満たされます。
花が散る頃には、 まるで雪が降ったかの様に
花びらで地面が真っ白に覆われ、
また、初夏には実をつけ梅酒や梅シロップ、梅干し、
梅ジャムなど、味覚まで楽しませてくれます。
やはりこの梅という花は、私たち日本人にはなくてはならない花なのですね。
ここ茨城県水戸市にある、日本三代名園の一つである、
「偕楽園」は梅でとても有名なのをご存知ですか。
毎年2月から3月にかけて 偕楽園では「水戸梅祭り」が開催され、
多くの観光客で賑わいますが、
ここ数年は新型コロナウィルス蔓延の影響で、中止となったり、
今年は「延期」となった事が今日のニュースで放送されていました。
最近では、洋風の家が主流になって、
梅の花が庭木に選ばれる事がとても少なくなってきました。
確かに、あまり洋風なイメージはないので、
選ばれなくなってきたことも肯けますが、
僕はやはり、水戸に生まれ育ったからなのでしょうか、
コロナ感染拡大に怯える、このご時世だから余計にそう思うのかもしれませんが、
この梅の花が、田舎の風景にポツポツと浮かんで咲いているのを見ていると、
とても心が和み、本当の故郷に帰ってきたかのような、
ホッとした気持ちになって嬉しくなります。
そんな日本の田舎の風景が、このA様のお庭の梅の古木のように、
いつまでもいつまでも、
子供達のその先の時代にも無くならずに残り続けて欲しいと、
心からそう思うのです。