雑木林とカウベルと
みなさん、新型コロナ、東京の1日の感染者数が9000人を超えてしまいましたね。
ここ茨城県でも約590人を超える感染者数です。
東京ではほぼ9割以上はオミクロン株だとか…
そんなニュースをやるせない気持ちで見ていたら、
暖かい、おいしいコーヒが飲みたくなって、
昔よく通っていた古い喫茶店へ。
最近ではコンビニでも安く気軽にコーヒーが飲めることから
もう、何年もお店に入ってコーヒを飲むことは無くなった。
ドアを開けると、取手に掛けられた「カウベル」がコロロ〜ンと、
重めな、でも温かみのある音を立てて迎え入れてくれた。
「うわあー! なんて良い匂いなんだろう!」
コーヒーの香りが充満した古い店内は
言葉では言い表せない安心感がある。
自宅でもないし、店の人たちとも顔見知りでもないのに、
「ただいま。」って言いたくなるような。
そんな暖かな感覚。
同じような感覚をくれる場所が、もう一つある。それは雑木林だ。
雑木林を見た時に感じるあの「安心感」だ。
葉の風にそよぐ音、落ち葉をふむ音、土や木の香りがする中にいると、
何かに守られているような気がして、
「ああ、ずっとここに居たいなあ。」って思う。
こんなふうに、いつも自分が帰る場所が
「ただいま」だったり「ずっとここ居たいなあ」って思えたり
そんな場所だったら、それはもの凄く幸せな事だと思う。
どんなことがあっても、そこに帰りさえすれば、
自分をあったかく迎えてくれる場所。
それは、そこに住む家族、そしてそれを癒し、彩る、
小さな森のような雑木の庭がある場所。
きっとそこは、かけがえのない大事な場所になる。
どんなに、嫌なことがっても、辛くても、悲しくても、
いつもその場所に帰れば、暖かく包んでくれる暮らしと景色が待っている…
そんな暮らしをお客様たちに提供できたらいいなぁ、といつもそう思っている。
最近また 不安を掻き立てるような数字が日々大きくなるこの頃、
ドアを開けるとカウベルがコロロ〜ンと鳴る、
あったか〜いコーヒーの匂いのするあの店に入った時、
「 大丈夫だよ。」
そんな言葉が聞こえたようにさえ感じた。
目の前に運ばれてきた、美味しいコーヒを飲みながら、
たくさんの淡い芽吹きの色に満ちた、早春の雑木林を想った。
「そうだね、きっと大丈夫だよ。」