雪の花咲く庭に思う 〜茨城県水戸市A様〜
新しい年が明け、
今週から初仕事が始まりました。
今年は色々と動き出す年になる、そう思うと
今まで以上に力が湧いてくる感じがします。
一年の仕事始めには なんといいスタートなのだろう!
って思っていたら、このところの寒波で大雪。
ここ、茨城県水戸市も雪景色となりました。
まあ、行動が制限されるほどの雪ではありませんでしたので、
以前からのお付き合いのある、茨城県水戸市のA様のお庭を訪ねました。
以前お尋ねした時は、ちょうど紅葉が素晴らしく美しい頃でしたが、今日は雪景色。
落葉した落葉樹の木々に雪が積もって、
まるで全ての庭木に真っ白な花が一斉に咲いたかの様でした。
そこに陽の光が差して、きらきらと輝く様子を見ながら
A様はこうおっしゃいました。
「寒いですけど、雪の花が咲いた様な真冬の庭の姿をじっくり眺める時間も好きなんです。当たり前だけど、この景色は冬しか見れないですから。それに陽の当たり方でも全然表情が違うしね、見ていて飽きませんよ。』
普通なら
『あ〜あ、寒いし寂しいし、、、本当に冬は嫌だな〜。。。』
っていう言葉が出てくるのが一般的。
でもA様は、今日、いや、今この瞬間に庭が見せてくれる姿を楽しんでいる様だった。
A様の庭に携わってもう数年になるけれど、
この庭は広大なだけに、毎年大変な管理が必要とされる庭だ。
でもA様は「でもその分、綺麗になると心も清々として、さらにこの庭が好きになるんですよ。」
と言っていたことを思い出す。
都会では、少しずつですが、『生活に自然をとり戻そう』という動きがある様に思えるけど、田舎ではまだまだその逆なように思います。確かに管理は本当に重労働で、誰かに依頼すればお金がかかります。ましてや地方の田舎では過疎化と、高齢化が進み、金銭的にも体力的にも、個人では管理しきれなくなる現実があったりと、様々な問題を抱えているだけに
『開発をもっと進めて山や、畑を減らし、庭木もできるだけ処分して減らして合理的に。』と考えるのも、頷ける気もする。
また「自然環境に優しいエネルギー」を売りにして、
太陽光パネルなどを 田畑や、山林に設置して、
逆にむしろ自然環境を破壊している現状がある。
そんな矛盾だらけの現代に、
A様の様な方がいることが、嬉しく、そして救われた気がした。
この問題は、やはり自治体が、いや、国が真剣に向かい合うべき問題ではないかと思う。
ただ、これからの時代の流れが変わりつつあり、
都会から田舎に移住する人が急増する事で、
少しでも、そういった問題の解決につながることを祈るばかりだ。
A様のお庭の雪景色を見ながら、そんなことを考えた。
数日前、真っ白な美しい雪の花が輝いていたA様の庭は、
もう少しで、様々な色の木々の芽吹きを見せてくれる。
その美しさはA様の暮らしを癒し、
A様はその庭にメンテナンスを重ねながら
大きな愛情を注いでいる。
その庭とA様の関係の循環が、あの庭の美を形成している。
また芽吹きの頃に、あの庭を訪ねてみようと思う。